一般社団法人関東交通犯罪遺族の会(あいの会)として新たにスタートしました

このたび私たちは法人登記を行い、一般社団法人関東交通犯罪遺族の会(あいの会)として新しくリスタートすることとなりました。
より活動の幅を広げていくために、今回の決定をしました。これからも交通犯罪をなくし、支援の輪をつなげていくために、引き続き活動を続けていきます。これからもどうぞよろしくお願い申し上げます。

ごあいさつ

代表理事 小沢 樹里

一般社団法人代表理事就任のご挨拶

関東交通犯罪遺族の会(あいの会)は今年設立9年目を迎えますが、今後の活動内容を踏まえて、このたび一般社団法人として法人化することとなりました。

私たちの思いとして、交通犯罪被害にあった場合、早期支援の必要性をとても強く感じています。ネットの普及によってつながる手段は広がっていても、混乱状態のなかでどこに連絡したらいいのか迷っている遺族は少なくありません。だからほんの少しでも遺族が被害者支援の窓口にたどり着けるよう橋渡しをしたい、私たちの活動の間口を少し広げたいと思い、今回の法人化を決めました。

私たちは小さな団体です。しかし、交通犯罪遺族の権利回復にとって、現在の犯罪被害者基本法ではまだ盛り込まれていない抜け穴の部分を少しでも埋められるよう活動をしていきたいと思います。

また法律でも例えば道路交通法の主だった内容が、中学生であってもわかりやすい法律である必要があります。被害にあった直後であっても、わかりやすい支援と法律があり、そこから零れ落ちる遺族がいないようにしていきたいと思っています。

日々の生活のなかで交通事故は身近に起こりえます。誰もが被害者にも加害者にもなる可能性があります。だからこそ人と人とのごく普通のコミュニケーションのなかで「いってらっしゃい」「お帰りなさい」という言葉を安心して言える社会にしたいと願っています。

今後とも多くの皆さまに支えられ教えてもらいながら、よりたくさんの支援の輪を作っていきたいと考えています。

副代表理事 松永 拓也

2019年4月に発生した、池袋暴走事故の遺族である松永拓也です。
「2人の死を無駄にしない。他の人にこんな思いはさせない」と決意し、あいの会と共に活動を始め、2年が経ちました。
この度の一般社団法人化に伴い、副代表に就任させていただくことになりました。
まだまだ遺族として未熟ではありますが、交通事故が無くなる未来と、犯罪被害者支援の拡充を目指し、これからも活動してまいります。どうぞよろしくお願いいたします。

理事 中村 正文

一般社団法人化に伴い、理事に就任しました中村正文です。
妻の事故から10年が過ぎましたが、今もなお凄惨な事故が日々発生しています。
この事実を多くの人と当事者意識を共有し未来が奪われる事の無い社会を実現するために力を尽くしていきたいと考えております。

監事 東 光宏

2010年正月明けに、信号無視で横断歩道に突入してきた自転車乗りに母を奪われた東(あずま)光宏です。設立から関わってきたあいの会の法人化にあたり、監事をさせていただくことになりました。
加害者が自転車というだけで罪状も変わり、ただでさえ軽い交通犯罪よりさらに軽い量刑に悔しい思いをしました。裁判過程で遺族や故人の尊厳が平気で傷つけられる事実も悔しく感じました。自転車事故の報道の取り上げられ方がいつもその場限りにとどまり、なんら啓発されない現実にも悔しい思いをしています。こうした悔しさが私の原動力です。
しかしあいの会は決して怒れる会ではありません。やさしく、あたたかく、笑顔の絶えない会です。中ではフレンドリーに語り合い、外には地道に発信し、行動を続けてきましたが、一般社団法人となった今後も同じ路線を歩んでいきます。
私たちの活動が、少しでも悲劇を減らし、それでも悲劇に見舞われたご遺族がいればその助けにつながっていけたらと思っています。

代表顧問 高橋 正人

一般社団法人代表顧問就任のご挨拶

この度、私は、関東交通犯罪遺族の会の一般社団法人(非営利型)化に伴い、あらためて代表顧問に就任することになりましたので、ご挨拶させて頂きます。
従来より、犯罪被害の中でも交通犯罪は、そもそも犯罪ではない、捜査についても死人に口なしで加害運転者の言い分通りに「事故」として「処理」しておけば良いという風潮がまかり通っていました。それを、大きく変えたのが当会でした。
確かに交通犯罪は過失犯です。誰でも犯す可能性のある犯罪であり、その点では故意の殺人とは異なります。
しかし、だからといって犯した結果に対しても責任を軽んじて良いと考えるのは法律家が考えた勝手な理屈であり、遺族は納得できません。例えば、貸し切りバスの横転、高速道路での多重衝突では多くの人命が失われます。信号機のある交差点の横断歩道上で小さい子がひかれれば、そのほとんどが親の目の前で、大型車などによって我が子が潰されるのを目の当たりにしなければなりません。遺族の受ける悲しみは決して小さくないのです。
しかも、これに輪をかけるように、弁護士、副検事、裁判官が手続きを簡単に済ませようとして遺族をさらに苦しめることもあります。また、法廷で生涯かけて償いますと弁解し執行猶予の判決を受けた加害運転者が、本当に生涯かけて償った例など皆無に近いのも実情です。遺族の苦しみは司法手続きが終わって、かえって倍増することも決して少なくないのです。
こうした現状に問題を投げ掛け、社会を変えていく力が当会にはあります。その実現に向けて、これからも少しでもお役に立てさせて頂くことを誓い、ご挨拶に代えたいと思います。

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